愛と平和と相互理解

 

(こんな長いの読みたくねえよ)

 


「相互理解」とは一体何だ?というところはそれなりに突き詰めていく必要があると思いました。というのが今日のネタ。

 

あの、他人との対話(もしくは他人への表現)において「言葉」の定義って非常に大事じゃないですか。

特に僕みたいに修辞が多かったり仄めかしが多いと、自分はこういう意味で言ったつもりだったけど?ということが相手にどのぐらい理解されるかっていうとけっこう間違って伝わる場合もある。まあそれ普通なんですけど。逆もありますしね。

ここでは温度差とか立場とか年齢とか知識とか関係性とか性差とかはちょっと置いておきます。それも意識はしつつ。

似たような例というか、時々障害になるのは「常識」ですよね。俺の常識とおまえの常識は違うんだバカヤローって事案はけっこうあるわけで(僕もやりますよ)。だから僕は「普通」とか「まとも」にカギカッコを付けがちなんですよ。

キリがないんですけどね。これ始めると。だってですよ、じゃあ他人との対話って先ほど書きましたけど、「他人」にも「距離」の「濃淡」がってやってたら話がひとつも進まねえ・・・ってね。

 

自分が悪いところもある。もしかして僕は今まで一般常識をきちんと学んでこなかったのではないか、社会のルールというものに向き合ってこなったのではないかと。

本はそれなりに読んできて、言葉はそれなりに知っているかもしれないけど、やはり偏った世界に沈殿してたのかなあって思いますね。

だって音楽がそうですよ。ついていけない話がたくさんありますからね。知ってるふりしてますけど(笑)。「みんな」が知ってる音楽をぜんぜん知りませんよ。だからと言ってみんなが知らない音楽を俺だけが知ってるとも思ってませんよ。時間は使いましたけどね。でもそれも誰かと比べたわけじゃないし、そもそも関係ない。・・・何を俺は延々と言っとるんだ。

 

言葉の定義をしていくことで「相互理解」を深めていく。

その一歩がまずはその「相互理解」とはなんだろうか?という話です。僕が言っている相互理解とはどういうことなのだろうか。

興味のない人はまあこのへんで今日のコンテンツは終わりかもしれないですが、どんな感じ?という人はまあ聞いてやって下さい。

 

 

はず初めに乱暴に投げてしまえば、相互理解とは「お互いが理解し合うこと」、これで終わりですよ。

ポーン。

 

いやさあ、だから言葉って難しいですよね。

そのために言葉があるのに、これだけでは何も僕の言いたいことは伝わらないかもしれない。伝わってるかもしれない。どっちか分からない。

 

言葉の意味に於いて、やはりここで難しいのは、誰がどこでいつどんな文脈で言ったか、言外に何が含まれているか、ってことが出てきてしまうんですよねえ。

表現の上手な人というのはそれを端的に表わせるから簡潔で美しくなおかつ意味も明瞭な文章を書けるのでしょう。ビジネス文書にも美文というものがあります。議事録なんて特にねえ。僕は下手でしたね。分かるでしょ?ポイントが拾えないんですよ。箇条書きでぜんぶ書いてある。台本かよ!ってね(笑)。

 

「相互理解」については、お互いが理解し合うことで間違いないんですが、僕はそこに確認として、「受け入れる」ということではないし「許す」ということでもないけど、と注釈は入れます。ただ、まったくそこを含まないわけでもないから、総合的に「相互理解」という言葉は便利だなと思ってはいます。理解っていう言葉の匙加減ですかね。

そこの説明はもうやめようよ(笑)。辞書になっちゃう。

 

先進みます。

僕がこの言葉を気に入って使っているのはエルビス・コステロの歌のタイトルだから、って話は以前にしてて、歌のタイトルが「(What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding」で、つまり「愛と平和」に「相互理解」がくっついているからなのですね。

「愛と平和」はもちろん素晴らしい概念です。僕も今でも希求してますし、つまりは三点セットですよね。愛と平和と相互理解。

 

僕はパンクスですから、ヒッピーが嫌いなんです。って冗談ですよ(笑)。僕の育った時代ってパンクもポストパンクに時代になってて、同時代的にはメタ的になっていってるわけです。あらゆる既成概念を疑え←という概念も疑え←・・・みたいな感じですかね。

気づいたときにはジョニー・ロットンはパンクは死んだって言った後で、シド・ビシャスは本当に死んじゃったし、ジョー・ストラマー(クラッシュ)はもうパンクやってないし、ってこの話は別の話だ。

 

僕が素晴らしいと思ったのは、ずっと叫ばれてきた「愛と平和」が素敵だけど単なるお手軽なキャッチフレーズに貶められてしまったとき、そこに「相互理解」が足されたことで僕に取ってはとてもリアルになったんですよね。

愛も平和も理想論なだけだけど、相互理解なら僕にも出来るかもしれない、みたいな。

しかもこの歌詞(作詞:ニック・ロウ)、「愛と平和と相互理解したいんだけど、それ笑う?」(意訳)って歌なんですよね。ちょい皮肉っていうか自虐っていうか諧謔っていうか。こぶし挙げて歌う唄じゃないんですよ。ヘナチョコなんです。絶望なんですよ。

「世界狂ってんじゃん?でも俺はさ、愛と平和と相互理解だと思うんだけど、それおかしいかな?」ってさ。あああああ。これが最高のメロディに乗ってるんですよ。これぞロックですよ。って思います。

 

 

つまり、僕の使う「相互理解」には前段に「愛と平和」がくっついていて、その内容はコステロの歌に根源があるということになっていきます。


僕は英語は分からないので日本盤CDについてたライナーで日本語訳を読んだのですが、インターネットにはそれなりに訳が載ってますので是非調べてみて下さい。

 

歌詞の中で、実際のサウンドを聴きながらだとまたすごくクるところがあって、それが「スイート・ハーモニー」というブレーズです。

これは直訳すると「調和」になりますけど、ハーモニーで充分伝わるし、そしてそこにまたいろいろな意味合いを含めることも出来ますよね。

僕は漢字もカタカナもなんでも言葉が好きなので「甘い調和」って直訳したら、それはそれで夢が膨らみますね。でもなんか安いドラマのタイトルみたいッスね(笑)。

 

とにかくですね、この歌「(What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding」の歌詞ですね、これがラブ&ピースだけだったら割と普通だったと思うんですが、そこにアンダスタンディングが入ってて、おかしい?って言ってるっていうところですかね。それが重要な意味かな。

逆にいうとラブ&ビースより相互理解が際立ちませんか?この言い回しっていうんですかね?三点セットって一般的なんですかね?僕は他では聞いたことがないんですけど。

 

 

素晴らしいな!音楽って!

 

Elvis Costello & The Attractions - (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding
https://www.youtube.com/watch?v=Ssd3U_zicAI
僕はこれですよ。
いつ聴いたかはもう忘れました。20代の初めだと思いますね。
リアルタイムではないです。コステロ先生は意外と遅かったんですよね。
まあ、聴いた通り。すごくないですか?
初期のコステロってある意味で一本調子なんですよ。グルーヴが無いという言い方も出来ちゃう。でもあるんだなあ。ちゃんとある。分かりますかね、僕のこのまた変な褒め方。
あ、聞き逃さないで!「スイーハーモニー♪」のところ。もうシビれますね。
言葉イラネ。

よし、やろう。バンドで。
コステロ先生はバンドで既に2曲コピーしてて実は挫折してるが)


Brinsley Schwarz - "What's So Funny 'Bout Peace, Love, and Understanding"
https://www.youtube.com/watch?v=O4ZZtkYTI3o
こちらはオリジナルのブリンズレー・シュワルツのライブ映像。貴重なんですよ?昔は見られませんでしたから。
唄ってるのが作者のニック・ロウ師匠ですね。この人はこの界隈のボスです。
コステロ先生も美メロの帝王ですけど、この師匠いてこその(師弟関係はないですけど)ですね。
後出しジャンケンになりますけど、オリジナルは若干60年代からのブリティッシュの風味が残ってますよね。もちろん最大の敬意を払いますが、僕はコステロバージョンに先に出会ってしまったし、パンクスだったので(正確にいうとコステロはパンクではない)、というところはありますが。ありがとうございます師匠!あなたがいなければ俺は生まれなかった!
(あああああ、でも芽吹きがあるなああああああああ←リピートしてる)


Brinsley Schwarz - (What's So Funny 'Bout) Peace, Love & Understanding
https://www.youtube.com/watch?v=1J1CfXFlI4c
オリジナルレコーディング・バージョンです。
ああ、やっぱこれはこれで上がるなあ。
分かりますかね?英国のミュージシャンていうのは、アメリカのロックンロールとポップスを聴いて育ってるんですよ(僕の言ってることはぜんぶ受け売りですからね)。
つまりそこには、バディ・ホリーロネッツも入ってるんです。


(What's So Funny About) Peace, Love and Understanding/Elvis Costello
https://www.youtube.com/watch?v=x4IYaJCkinA
これはまあ後回しでもいいですけど、コステロ先生がニック・ロウ師匠と一緒にやってるライブで、なんか字幕ついてるから歌詞にも?!と思ったら歌詞には字幕ついてませんでした。
ただバンドの紹介はしてて、メンツがすごいんですけど(確かにこのメンツでしばらくツアー回ってたしアルバムも作ったはず)、ギターがね、ジェームス・バートン御大で、この人の何がすごいって、もうひとりのエルヴィス、キングですね、プレスリーのバンドにいた人なんですよ。
でもねー、僕ねー、へそ曲がりだから(笑)。プレスリーのギタリストっつったら、スコッティ・ムーアなんですよねー。はい横道。
この動画のバージョンは、つまりアメリカン・カントリーです。
一発目のコステロのバージョン見ましたよね?見てないと話にならないんですが、あれがこれになるんです。素晴らしいメロディと素晴らしいミュージシャンがいれば、可能性は無限にあるんですよね。


Susanna Hoffs & Matthew Sweet - (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding (Cover)
https://www.youtube.com/watch?v=ITzj7G7qNvk
これはアレンジ自体はさほど特筆すべき点はないのですが、登場人物が割と重要です。
スザンナ・ホフスとマシュー・スイート。アイドルとヲタクですね(違う)。
スザンナはバングルスのヴォーカルですね。エターナル・フレームという永遠のラブバラードで有名ですが、僕はサイモン&ガーファンクルの「冬の散歩道」という曲のロックカバーがものすごく大好きです。調べてもいいし、まあそのうちリンクアップします。
超カッコいいですよ。それと、正式にリリースされているのか不明ですが、バングルス版の「アイ・フォート・ザ・ロウ」というのがありまして、これはクラッシュのカバーが超有名な、もうクラッシュの代表曲みたいになってる曲があるんですが、それをさらにあま~くカバーしたのがYouTubeにあります。まあ、これもそのうち。
マシュー・スイートは僕と同年代ですね。オルタナティブロックの人ですけど、日本のアニメオタクで、腕にうる星やつらラムちゃんのタトゥーが入っているという筋金入りです。


The Coverups (Green Day) - Peace, Love, and Understanding (Nick Lowe cover) ? Secret Show in Albany
https://www.youtube.com/watch?v=mdTNWqk-sAU
なんとグリーンデイの去年の映像です。
そして僕はこれから以下↓の記事でYouTubeの旅に出ざる得ない。
http://amass.jp/102246/
まあ後にしますが、グリーンデイは僕にとってはラモーンズのモチベーションを落として解散に追い込んだバンドとして愛憎が入り混じったものがあるのですが。
あの人は憶えているだろうか。僕はあの人の誕生日にグリーンデイの曲を贈りました。
「あなたは僕の月の光」だと。
しかし、ビリー・ジョー少し太ったんじゃないか・・・。


「(what's so funny'bout )peace, love and understanding」リクオ with HOBO HOUSE BAND
https://www.youtube.com/watch?v=4SrMbyEv3L8
この人は知りませんでした。
出だしはちょっとあんまし好みじゃないなあと思いつつ、我慢して聴いてたら、あれ?清志郎っぽいなあと思って亜流かなと思いつつ、ギターソロのときに「きょんさん!」え?「きょうさん!」?え?どっち?Kyon?Kyonぽいな?だとしたら?と思って調べたら、普通に清志郎人脈でした。清志郎というのは忌野清志郎さんのことですけど。
僕が好きなアイドルのひとりにSAKA-SAMAのここねんという子がいて、彼女は親の影響でRCサクセションとかボ・ガンボスとかも聴くんです。僕たぶん親御さんと速攻で仲良くなれますよ。たぶん年下ですが(笑)。RCは清志郎だし、ボ・ガンボスのギタリストはKyonさんですね。清志郎いないし、ボ・ガンボスのどんとももういないけど。
まあ、僕の基準ではこのバージョンはアレンジとしてはさほど刺さるものはなかったですが、この曲を選曲して日本語詞にして歌って映像に残しているという時点でもう素晴らしい仕事としてリスペクトします。


Puddles Pity Party, VIP pre-show, Humdrum Blues, What's so Funny 'Bout Peace Love and Understanding
https://www.youtube.com/watch?v=h1wa3Nk9E-o
次はちょっとホントにファニーですよ。
白塗りのクラウンがまずブルースを唄うんです。ベガスのホテルのショーですよ?
僕はその文化は知りませんが、カジノホテルにしては静かです。想像するに割とハイソな空間じゃないかと。
そこで次に「愛と平和と相互理解」を唄うんです。このクラウン(アメリカでは有名な歌手みたいですが)、本物のバカ(すみません言葉が汚くて)かマジでパンクアティチュードなのか分かりません。アメリカ人てレーガンスプリングスティーンの曲を自分のテーマ曲にしたり、トランプがストーンズの曲を使ったりして頭悪いじゃないですか。
ただそのときに僕は音楽の凄さを知るんですよ。
中身が無くなるんです。意味が。僕は字面で歌詞を追ったから刻んでますけど、耳だけで聴いてたら日本語のロックだって意外とどうにでもなりますよ。使おうと思えばって点で。
まあアメリカ人よりはマシだと思いますけどね。
そのへんは知りたかったら、「Born In The U.S.A」の歌詞と、「共和党」、「レーガン大統領」あたりを調べるといいと思います。まあでも、絶望するだけだからやめた方がいいと思いますけどね。


Chris Cornell - peace love & understanding live
https://www.youtube.com/watch?v=A_avYZbrNuk
絶望でつなげたくなかったけど。
クリスのこの弾き語りは刺さりますね。
コステロ先生は他の曲とか聴いていくと本当に声が素敵だし歌が上手いんですけど、クリスのこの声どうですか。旨味がたっぷり。これが歌というものですよね。
彼はもうこの世にいないんですよ。2年ぐらい経ちますかね。
もう更新されないんですよ。
残念ですよね。


Elvis Costello with Eddie Vedder - (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding
https://www.youtube.com/watch?v=RhswwmvoHoQ
最後にしますが、これは3年前の動画だそうです。
老けましたねえ先生も、そしてエディ・ベイダーも。
エディはパールジャムというバンドのヴォーカルでしてね。グランジですよ。ニルヴァーナの敵役です。日本ではグランジのアイコンはニルヴァーナですが、アメリカではパールジャムの方が人気があったそうです。僕はグランジは表面掬っただけなんでね。
たとえば直前に紹介したクリス・コーネルサウンドガーデンのヴォーカルでしたね。
そのあたりが90年代から00年代頭ぐらいに活躍してて、まあ行ってしまった人もいますが、ベイダーみたいに生き残って、コステロ先生とこうして公園で歌ったりするんですよ。
動画自体はファンカムなのでちょっと見苦しいですが、どうですかこのハーモニー。グランジって意外と音楽耐性は強かったんですよね。70年代のパンクは楽器が弾けなくても出来ましたけど、グランジとかオルタナティブはちゃんと技術があった上での革新でしたからね。だから僕は嫌いなんだ(笑)。
コステロ先生は太ってハゲたけど、ベイダーは痩せてカッコいいおっさんになったな。

 

以上です。


すみませ~ん。押し売りすごくて(笑)。