「詩」について

 

僕は字を読むのは苦手じゃなくて、読書も少しやるんですが、実は「詩集」というのは読んだことがないんですよ。
あるのはストーンズとディランの詩集ぐらいで、これは歌詞の日本語訳集ですから詩集とは違いますよねえ。
友達で詩集も嗜むやつがいて、彼が「気になったものだけ選んで読めばいいんだよ」って言ってて、それはよく分かるんですが・・・、って書いてて今気づいたんですけど、気に入らない詩があったらイヤなんだ!それを手元に置いておくのが。
そうかー。
僕はその友達との会話で、「A4ペラとかで読ませてくれたらきっと大丈夫だと思うんだけどね」って言ったんですよ。
分かりますかね。それだったら気に入ったものだけピックアップしておけるじゃないですか。

なんかすごく子供じみてますね(苦笑)。


たとえば詩集がバインダーみたいなのに挟まって出版されたとするじゃないですか。
そしたらピックアップ可能ですよね・・・って書いてて今思ったんですけど、その「形」で出されたブツを僕は解体出来ないと思う←どんだけ不自由なんだおまえは。

音楽で散々やってるくせにね。
プレイリスト作ればいいんですよ。自分で気に入った詩のベストを作ればいいだけ。

 

 

 

タバコとマントの恋

中原中也

 


タバコとマントが恋をした
その筈だ
タバコとマントは同類で
タバコが男でマントが女だ
或時二人が身投心中したが
マントは重いが風を含み
タバコは細いが軽かつたので
崖の上から海面に
到着するまでの時間が同じだつた
神様がそれをみて
全く相対界のノーマル事件だといつて
天国でビラマイタ
二人がそれをみて
お互の幸福であつたことを知つた時
恋は永久に破れてしまつた。

 


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ほら、まず1個取り出せた。
青空文庫にあるものならテキストデータとして取り出せるからマイ・ベスト中原中也が作れる!
でも電子書籍ってどうせテキストデータじゃないんでしょ?じゃあ無理だな。超有名な作品ならネットに転がってたりするから自分で打たなくてもいいかもしれない何の話?


えーと・・・。最初の出だしは詩集が読めないって話で、何を言いたかったかというと、詩集が読めないから今までほとんど「詩」というものを知らないんですよ。超超有名な詩を断片的に知ってる程度で。
でも歌詞を読むのはとてもとても好きなんです。まあ音楽があってのことだから意味が違うとは思うのですが。

あ、でもこのブログで前にカリール・ジブランの詩を載せてますね。載せてたよね?なんていい加減な男なんだ俺は!(逆説の十戒も載せてんじゃん・・・)
だから一篇ずつとかね。パッといいのが入ってくれば受け止められるんです。
好きなのと嫌いなのが混じってるがなんか難しそうな気がする。
音楽ならさ、抜いちゃえばいいじゃん。プレイリスト作るときに入れなきゃいいだけで。(あと何でもかんでも音楽と比較するのもいいかげんアレですかね)
短編集。小説の短編集だったらどうだろうか?
これさ、きっとさ、ボリュームの問題はあるかな。短編集の中に嫌いな?面白くない短編が混じっててもさ、20ページとか?ズバっと飛ばせばまたそれなりのページ数楽しめるわけでしょ?これ大丈夫。そんなの普通ですよね。
ところが詩集となると小刻みになっちゃうわけでしょ?それらの作品に対するこちらの温度差とかもお構いなしにさ。あー、すみません僕が面倒くさいです。


逆に言うとそのぐらい僕は詩も大事にしたいんですよ。

素晴らしい詩だったら、その一篇だけで本一冊分ぐらいの熱量が注ぎ込まれるんですよ。いや僕のね。
詩は短い。小説は長い。でもたとえば受け止める重さ的なものは僕には同じなんです。同じぐらいのときがあるんです。
だって小説が長いから感想も長くて、詩が短いから感想も浅いってことはないですよね?
話がまた訳が分からなくなってきましたね?

これ結論ないやつじゃん。ただの泣き言だった(笑)。


いや、最近ある詩を読みましてね。
とても有名な詩らしいんですが僕は初めてで、とてもメンタルが揺らいだんですよ。
ある人が紹介してたんですけどね。
その詳細については書かないんですが、詩をこちらです↓

 

 

 

 

「願い」谷川俊太郎

いっしょにふるえて下さい
私が熱でふるえているとき
私の熱を数字に変えたりしないで
私の汗びっしょりの肌に
あなたのひんやりと乾いた肌を下さい

分かろうとしないで下さい
私がうわごとを言いつづけるとき
意味なんか探さないで
夜っぴて私のそばにいて下さい
たとえ私があなたを突きとばしても

私の痛みは私だけのもの
あなたにわけてあげることはできません
全世界が一本の鋭い錐でしかないとき
せめて目をつむり耐えて下さい
あなたも私の敵であるということに

あなたをまるごと私に下さい
頭だけではいやです心だけでも
あなたの背中に私を負って
手さぐりでさまよってほしいのです
よみのくにの泉のほとりを

 

 

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この詩を読んだときにですね。僕はもうやったよ・・・、って思いました。


またやれって言われたらまたやります。
ただね、それならまずそう言えよって思うんですよ。


言えないから詩があるんですよね。