天使の話



あの子は新宿にいた。




三崎で彼女と初めて写真を撮った。



それからずっと、彼女は俺の天使だった。

 

二人の間に言葉はいらなかったし、俺たちの間にはロックがあった。

 

あの子は俺の天使。

天使はいつも俺の近くに寄り添っていて、掴むことが出来ない。

彼女はウフフと笑った。

 

彼女は俺のことをずっと考えていたと言って俺を呼び出した。

現れた俺を見てとても喜んだよ。



絵を描いてくれて、また描いてあげると約束してくれた。

 

カレーを食べればいいと教えてくれた。




俺はぜんぶ裏切った。



あるとき天使を手離した。



もう帰って来ない。



後悔しても遅くってさ。