野良猫の話(記録用)


こちらはInstagramに投稿した「文章」の拡大版です。



一度だけ本気で、ネコを飼うのかな?と思ったことがあって。

代々木上原に住んでるときに、あの辺は割と古い住宅地で夜は静かなんですよ。
バクティと夜散歩してたら、野良猫がゆたっと近づいてきたんですね。普通はあり得ない。
でまあ僕はリードでピピっとコマンドを送ってバクティに相手を驚かせないように指示したら彼はすっとしますよ。
で、二人で立ち止まってたら驚いたことにそのネコちゃんが僕の脚をさすーっとして回って、それからバクティのところに行ってさすーっとしたんですね。
いやもう、僕はネコとコミュニケーション取るのが不得意なのでびっくりしましたよ。バクティはピタリとも動かなかったです。
それで挨拶が済んだので、じゃあ行くよって僕らは歩き出したんですが、ネコちゃんがまあさすがに並んではいなかったですが一緒に来たんです。
しばらく一緒に歩いてて、その子は疥癬ですかね?毛が半分くらいなくて、まあまず風呂だなあとか考えてました。部屋にいるマシェリに電話したかもしれない忘れたけど。いや、したな。許可を取った(笑)。

ある所、階段を降りるところでネコちゃんは止まりました。
僕らは降りてからしばらく声を掛けたんですよ、一緒に帰ろうって。でもその子はそこからは一歩も降りて来なかったですね。何度も僕らは昇り降りして促したんですが来なかった。
まあそういうものかと納得して僕らは帰ったんですが何度か振り返りましたけどずっと見送ってくれてました。
それ以降、会うことは無かったですね。


ある晩、同じ道で声を掛けてくれたおばさん(当時俺はまだ若かった!)にネコのことを話したら、その子は近所の若いOLさんがもともと面倒を見てて定期的に病院に連れて行っていると聞きました。


まあ、ブログにすると長くなるし書く時間が無いし大した話でもないのでインスタに投稿したので以下は蛇足です。


僕は別に猫は嫌いじゃない。まあ正直にいうと消極的に好きという感じですかね(笑)。
仔猫はやっぱり可愛いし、飼えばたぶん習性というか関係性も確立出来て上手くやっていけると思いますが、僕は犬派です。


犬を連れて散歩をしていて、野良猫(地域猫)に出くわしてた場合、僕は絶対にバクティを近づけませんでした。
理由は別に説明する必要は無いですね。そこは邪魔してはいけないから。
もちろん犬ですからバクティは寄って行こうとしますけど、リードで制御すればすぐやめますから猫たちの邪魔はしません。

だからびっくりしたんですよね。上に書いたネコちゃんがこっちに来たときは。
普通は無いでしょ?
確かに人懐っこい地域猫ちゃんはまあいますよ。僕も小学生の頃は友達と小屋で猫を飼ってました。野良猫を餌付けしてたってだけの話ですが。

二十歳くらいで杉並のアパートに住んでいたとき、裏をねぐらにしていた猫がいて、あるとき仔猫が何匹もニャーニャー言っているのでスーパーでツナ缶を買ってきて窓の下に置いたら親猫が食べてくれたので撫でようとしたら本気で引っ掻かれました。
バンドマンの先輩の家で猫を飼ってて、あるとき理由は忘れましたが留守番を頼まれて、これでも食って待ってろって言われて寿司の折り詰めを渡されたんですが、食べてたら鴨居から猫が飛んできて驚いたことがありましたね。そのときは立ったまま睨み合って寿司を食いました。
いや、別に悪い思い出だけじゃない(笑)。
他は基本的に可愛い思い出しかない。
猫を飼ってるお宅にお邪魔してリラックスしているとネコちゃんが膝の上に乗ってきて丸くなったりするじゃないですが。可愛いッスよね。あれ。最初のうちはいいんだけど、動けないし重いからだんだんしんどくなってくるんだよな(笑)。

マンチカンを知ったときは少し考えましたね。
一人暮らしで犬を飼うのはいろいろ難しいけど、猫の場合は大丈夫的な考え方ってあるじゃないですか。それでマンチカンのあのフォルムでしょ?
まあ考えただけですけどね。

一人暮らしで犬を飼うっていうのはバクティを飼うより前に一度本気で検討したことがあるんですが、その話はまた後で書きます。


代々木上原で僕らに近づいてきたネコちゃんに関しては本当にこれは引き受けようと思ったんですよね。
向こうから近づいてきて、しかもバクティにまで近寄ってた。
みすぼらしい姿で、でもそんなネコちゃん後にも先にもあの子だけでした。


思い出しましたけど、僕はほとんど取り乱してマシェリに電話をしたと思うんですよ。
もうこれはしょうがないよね?とか、だって向こうからですよ?みたいな。皮膚病の子がひとり増えたって関係ないじゃん(バクティも皮膚疾患があった)みたいな。もう決まりだから的な。ね?ね?みたいな。

彼女は連れて来ないでとは言わなかった。